受益者代理人(ジュエキシャダイリニン)

受益者代理人とは、その代理する受益者のために受益者の権利に関する一切の行為をする権限を有する者です。 類似の用語で「信託管理人」や「信託監督人」の制度は、全ての受益者のための制度であるのに対し、受益者代理人は、その代理する受益者のための制度です。複数の受益者に1人の受益者代理人を指定することもできますし、1人の受益者に2人以上の受益者代理人を指定することも可能です。また、受益権の種類が異なる場合には、その種類ごとに受益者代理人を指定することもできます。 受益者代理人は委託者の意思に基づき選任される者であり、「信託管理人」や「信託監督人」のように利害関係人の申立てによって裁判所が選任することはできせん。 強い権限を有する受益者代理人を、委託者の意思に基づかずに裁判所が選任することは、受益者にとって不意打ちになり兼ねず、妥当ではないとされているからです。ただし受益者代理人が「交代」する場合には、委託者又は受益者代理人に代理される受益者の申立てにより、裁判所が「新受益者代理人」を選任することができます。