信託財産にできるものは

家族信託の対象とできる財産に特に制限はありませんが、財産的価値があるもの(金銭的価値として見積もることができるもの)であれば、信託契約に定めることで信託財産とすることができます。
例として
①現金②有価証券(上場株式、非上場株式、国債など)③金銭債権(請求権、将来債権、貸付債権、リース・クレジット債権など)④動産(ペットなど)⑤不動産など(土地・建物、借地権など)⑥知的財産権(特許権、著作権、商標権など)

この中で特に多いのが、現金、不動産、株式です。自社株等については株式の名義変更を行うことになります。ただし、上場株式については証券会社等の対応が進んでいないため、理論上は可能ですが、実務上は信託財産とすることは難しいといえます。
 
信託できない財産は
これとは逆に「金銭的価値に置き換えることができないもの」については信託財産とすることができません。
例として
①生命、名誉など
②生活保護受給権や年金受給権などの一身専属権 これらの権利は委託者に専属する権利のため信託の財産とすることができません。
③借金(債務)、保証債務など
信託の対象となるのは積極財産(プラスの財産)であり、消極財産(マイナスの財産)は信託の対象とはなりません。債務は信託をすることができませんが、信託行為の内に債務引受けることにより可能となります。債務引き受けをすることで、実質債務を信託することと同じ状態になります。