受託者が破産したときは?

家族信託について
受託者が破産すると受託者の任務が終了することが信託法に規定されています(同法第56条1項3号)。ただし、受託者が破産しても、その任務が終了しないように信託行為に定めることが可能です。そして、受託者が破産しても、信託契約が終了するわけではなく、前述したとおり最初の受託者のままで続けられますし、次の2次受託者を選定するなどして、家族信託を継続する事が可能です。

信託財産について
受託者が破産手続開始の決定を受けた場合であっても、信託財産に属する財産には、影響を受けません。(同法第25条1項)。倒産隔離機能があるのは委託者の場合と同様です。

ただし、信託財産となっている現金においては差し押さえられてしまう可能性があります。
具体的には、預入先が信託口口座か信託専用口座かによって差し押さえになるかが異なります。
信託口口座は倒産隔離機能を有しているため差し押さえの対象にはなりません。
対して、信託専用口座は外形上受託者個人の預金となるため、差し押えられてしまう可能性があります。その場合は信託契約を根拠に異議を申し立てることになります。
信託財産が不動産の場合は受託者の名義になっていますが、これは信託財産であることが登記簿上でもわかるようになっているため、差し押さえられることはありません。