民事信託とは何ですか?

民事信託(みんじしんたく)とは、受託者が特定の者を相手として、営利を目的とせず、継続反復しないで引き受ける信託のことで、信託銀行の取り扱う信託商品や投資信託(商事信託)とは違い、財産の管理や移転・処分等を目的に家族間で行うものとされています。

主に家族間で選ばれた委託者と受託者の間で独自の信託契約を締結します。そのためコストを抑えることができます。主に①自己信託、②限定責任信託、③知的財産権の信託、④金銭信託などがあります。

信託の主な登場人物である、委託者・受託者・受益者が事業者ではない場合に「民事信託」と呼ばれます。
民事信託の中でも、『家族による家族のための民事信託』とされているものがあり、家族が財産の預り手(財産管理をする者)となり、「高齢者や障がい者のための安心円滑な財産管理」や「柔軟かつ円滑な資産承継対策」を実現することを目的として、家族間の信託である場合には「家族信託」と呼ばれるようになりました。

「信託」とは信託法その他の法律で定められている法律用語ですが、「民事信託」や「家族信託」は、法律用語として法律に載っている言葉ではありません。
民事信託は、遺言書や成年後見制度では対応できない生前の財産管理や相続対策も可能になるなど、相続分野の専門家の間では非常に注目されており、一般の方々にも浸透しつつある制度です。