家族信託とは何ですか?

家族信託とは、信託する人(委託者)と信託される人(受託者)が家族や親族の場合が多いことから来ており、
契約等の方法により自らの持つ資産の管理や運用を、信頼する家族に託すことです。
託された家族は一定の目的(信託目的)に従いながら、その財産を管理、運用していきます。(信託法第2条1項)。ここでいう財産とは、幅広くありますが、特に効果を発揮するのが「不動産」と「現金」です。
「不動産」については、認知症になる前に不動産の名義を受託者名義に移しておくことによって、実際にその方が認知症になったときに、委託者に代わり、受託者が様々な不動産の修繕・管理・建替え・売却を行えるようになるからです。こうすれば、不動産が認知症によって、塩漬けになり、資産が凍結してしまうのを防ぐことができるのです。
また、「現金」を信託財産に入れることによって、受託者の方が、委託者(受益者)のために、その時に必要な分のお金を信託財産から払うなどをして、お金の管理をしてあげられるようになるのです。

この信託された財産は、名義上の所有権は受託者である家族に移転されます。ただし、任された家族は自由にこの信託財産を処分できるわけではなく、契約で指定した受益者のために受託者は忠実に信託財産を運用する義務を負います(信託法第30条)。