遺言を書いておけば家族信託しなくていいの?

生前対策として家族信託を活用すべきかもしれません。

遺言が効力を発生するのは、遺言者が亡くなってからです。そのため、生前に認知症に発症後から亡くなるまでの間、資産が凍結することになります。生前対策として遺言は活用できないのです。
また、家族信託は、お持ちの財産すべてを信託財産に含める必要はなく、認知症等で資産が凍結される恐れのある「土地・建物」や、「会社の株」など、特定の財産だけを対象にすることが可能です。こうすることで認知症になっても家族が財産を管理し、資産凍結の恐れは無くなります。

また、家族信託で指定した財産については、信託契約内で「帰属権利者(財産を最終的に取得する方)」を指定することで財産の承継者を指定でき、遺言書に代わる役割を果たします。

加えて、「家族信託」と「遺言」を2つ併せて作成し、信託財産として指定しなかった部分の財産については、変わらず本人の固有財産のままですので、別途遺言を作成し、財産の承継先を指定することで、本人の意思を反映した財産承継が可能になります。